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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻1号

1995年01月発行

治療

白血球除去療法を試みた水疱性類天疱瘡の1例

著者: 土井尚1 田中康一郎2 天野國幹3 堀内賢二4

所属機関: 1北九州総合病院皮膚科 2厚生堂長崎病院皮膚科 3前:北九州総合病院人工臓器科 4広島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.87 - P.90

文献概要

 70歳,女性.初診の約1年前よりほぼ全身に水疱,紅斑出現.諸検査にて水疱性類天疱瘡と診断後,ステロイドをはじめとする種々の治療を試みるも抵抗性で骨粗鬆症,胃潰瘍の副作用が出現したため輸血時,白血球除去を目的に使用されている白血球除去フィルターを用いた白血球除去療法を開始した.同療法にて皮疹は徐々に改善し約3カ月後にはステロイド離脱が可能となり現在ほぼ皮疹の新生は抑えられている.近年種々の治療に抵抗性あるいは副作用のために従来の治療が継続できない自己免疫性水疱性疾患に対して血漿交換療法を主とする血液浄化療法が試みられているが,自験例のように白血球除去療法を用いた治療はいまだ報告されていない.詳細な機序は不明で臨床効果も確立されていないが,今後試みられる治療法の一つと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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