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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻10号

1995年09月発行

文献概要

今月の症例

AIDS患者にみられた再発性水痘

著者: 渋谷博文1 金井貴子1 小宅慎一1 内藤琇一1 柏原光介2

所属機関: 1東京医科大学霞ヶ浦病院皮膚科 2東京医科大学霞ヶ浦病院内科

ページ範囲:P.787 - P.790

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 53歳,女の顔面,四肢に散在する水疱を生じた症例を報告した.1年半前に右三叉神経第1枝の帯状疱疹の既往がある.今回,両手掌手背の水疱にて発症.Human immunodeficiency virus抗体陽性を示し,カリニ肺炎を合併.外用のみで経過観察するも,その後意識障害の出現とともに皮疹は顔面,上下肢に拡大.四肢の水疱は神経の走行とは関係なく散在し,個疹は大豆大前後と大きく孤立性に存在.水疱内の細胞は蛍光抗体法により単純疱疹ウイルス(−),水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)(+).アシクロビル投与にてすみやかに痂皮化し,その後水疱の新生なし.ウイルスの分離はなされていないため断定はできないが,潜伏感染していたVZVによる再発性水痘と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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