icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻10号

1995年09月発行

文献概要

今月の症例

汎発性黒子症候群の1例

著者: 清水享子1 福田知雄1 清水宏1 橋本隆1 多島新吾1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.791 - P.794

文献購入ページに移動
 26歳,男性.汎発する黒子のほか,心電図異常,難聴,耳介聳立,漏斗胸を合併し,汎発性黒子症候群と診断された1例を報告した.汎発性黒子症候群の診断基準を満たす本邦報告例28例につき若干の統計的考察を行ったところ,汎発する黒子は全例に認められ,他の併発症状としては,精神神経系障害,心異常,頭蓋顔面の異常,発育障害が多く認められた.本症候群は遺伝性疾患と考えられているが,本邦例では外国例に比し,遺伝関係が確認された症例は少なく,散発例が多かった.また明らかに男性に多いという傾向が認められた.遺伝形式に関しては,常染色体優性遺伝という考えが多いが,本邦例の統計からは,他の遺伝形式も考慮すべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?