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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻10号

1995年09月発行

文献概要

症例報告

ペニシリン製剤により誘発された汎発性膿疱性乾癬の1例

著者: 川合美里1 南波正1 清島真理子1 森俊二1 北島康雄1

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.803 - P.805

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 42歳,女性.小児期より尋常性乾癬に罹患し,以後出産,上気道感染等を機に汎発性膿疱性乾癬を反復したが,最近はシクロスポリン内服により良好にコントロールされていた.歯科より投薬されたペニシリン製剤,消炎鎮痛剤を内服したところ,同日より両手掌の紅斑と痒みが発生し,翌日より紅斑が全身に拡大し,その後膿疱が出現した.膿疱は組織学的には角層下海綿状膿疱であった.治療はステロイド内服が著効し,30mg/日より開始したところ膿疱は投与開始より3日目で消失した.パッチテスト,内服テストが陽性であったことから,ペニシリン製剤で誘発された汎発性膿疱性乾癬あるいは膿疱型薬疹の可能性を考えた.両者の鑑別と薬剤誘発による膿疱性乾癬に関し,文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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