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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻10号

1995年09月発行

文献概要

症例報告

尿道にも病変が進展したerythroplasia of Queyratの1例

著者: 添田道太1 津田眞五1 清川兼輔2 白水加乃1 宮里稔1 笹井陽一郎1 田井良明2

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室 2久留米大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.829 - P.831

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 74歳,男性.初診の約4ヵ月前より外尿道口を中心に表面ビロード状を呈する境界明瞭な紅斑が出現.抗真菌剤,抗生物質,ステロイド含有軟膏の外用などで軽快しないため,久留米大学病院皮膚科を受診.皮膚生検にてBowen病の組織像を認めた.肉眼的に病変は尿道内に及んでいたため,陰茎部分切除術を行った.切除した尿道粘膜は不規則に肥厚し,異型細胞を多数認めたが,粘膜下への浸潤はなかった.男性の尿道の外尿道口より舟状窩に至る部分の尿道粘膜は,重層扁平上皮より構成されているため,erythroplasia of Queyratの病変が外尿道口にみられる場合には,尿道内への病変の波及に注意すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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