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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻10号

1995年09月発行

文献概要

症例報告

陰嚢部にverruciform xanthomaを生じたCowden病の1例

著者: 金児みわ子15 斉木実1 横林敏夫2 岨手善久3 臼井達也4 斎田俊明5

所属機関: 1長野赤十字病院皮膚科 2長野赤十字病院口腔外科 3長野赤十字病院外科 4長野赤十字病院内科 5信州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.840 - P.842

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 64歳,男性のCowden病の1例を報告した.顔面に扁平疣贅様丘疹,手掌,手背,足底に疣贅様または鶏眼様角化性丘疹,歯肉に乳頭腫と高口蓋,躯幹に多発性脂肪腫が認められ,陰嚢部には表面カリフラワー状の紅色有茎性結節が見いだされた.消化管ポリポーシス,甲状腺腺腫,腎腫瘍も合併していた.腹膜肉腫,副鼻腔炎,胆石症の既往歴がある.病理組織学的には手背の角化性丘疹は乳頭腫状の角質増生と表皮の肥厚を示し,歯肉部にも上皮の肥厚がみられた.陰嚢部の結節はverruciform xanthomaの所見を示した.Cowden病でverruciform xanthomaを伴った症例は今までのところ報告されておらず,自験例が最初の報告と思われる.本例を含めた本邦報告例38例について若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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