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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻10号

1995年09月発行

症例報告

顔面の腫脹を主訴とした悪性組織球症の1例

著者: 高木晴美1 梅木薫1 伊奈慎介1 野村和夫1 橋本功1 鎌田義正2 四ツ柳高敏3

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2弘前大学医学部附属病院病理部 3弘前大学医学部附属病院形成外科

ページ範囲:P.846 - P.848

文献概要

 61歳,男性.59歳時よりC型慢性肝炎で治療中.初診約1ヵ月前より蜂刺されを契機として顔面の著明な浮腫,口唇・口囲の浸潤性紅斑および弾性硬,圧痛を伴う硬結が出現,体重減少もみられた.汎血球減少,肝機能異常,肝脾腫を認めたが,発熱・リンパ節腫脹はなし.組織所見は真皮中層から皮下脂肪織の血球を貪食する組織球系細胞の結節状増殖像.肝・骨髄への有意な浸潤はみられず,以上の所見より皮膚原発悪性組織球症(malignant histiocytosis; MH)と考えた.ステロイド内服療法で皮疹は著明に改善するも,両側顔面神経麻痺および左反回神経麻痺をきたしたため,両側下眼瞼兎眼に対し瘢痕拘縮形成植皮術を施行した.自験例のような顔面の腫脹を主訴とし,皮疹改善後に末梢神経麻痺をきたしたMHは極めて稀と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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