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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻11号

1995年10月発行

文献概要

原著

慶應大学皮膚科における類天疱瘡患者の病型分類とその治療の検討

著者: 橋本隆1 河原由恵1 西堀由喜子1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.865 - P.870

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 過去5年間に当教室にて経験した39例の類天疱瘡の病型をまとめ,その治療との関係を検討した.内訳は全身性類天疱瘡16例,前脛骨型限局性類天疱瘡3例,狭義の限局性類天疱瘡(皮疹が1ないし2ヵ所に限局)5例,瘢痕性類天疱瘡7例,結節型類天疱瘡3例,その他5例であった.全身性類天疱瘡では副腎皮質ホルモン内服,ミノサイクリン・ニコチン酸アミド併用,ないし両者の併用により重篤な副作用なく全例が軽快した.前脛骨型限局性類天疱瘡ではいずれもミノサイクリン・ニコチン酸アミド併用が著効し,狭義の限局性類天疱瘡ではいずれも無治療ないし副腎皮質ホルモン外用剤のみでコントロール可能であった.結節型類天疱瘡,瘢痕性類天疱瘡はいずれも病変が長期にわたって存在する傾向があり新しい治療法の開発が必要と思われた.今後,類天疱瘡患者,とくに高齢者,基礎疾患を有する場合にはミノサイクリン・ニコチン酸アミド併用内服療法を試みるべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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