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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻11号

1995年10月発行

文献概要

症例報告

血漿交換療法が奏効した天疱瘡の2例

著者: 伊野法秋1 望田篤1 藤田優1 添田耕司2 小高通夫2

所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科学教室 2千葉大学医学部附属病院人工腎臓部

ページ範囲:P.883 - P.885

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 症例1:83歳,男性.1991年6月より瘙痒を伴う水疱が出現し,全身に拡大した.落葉状天疱瘡と診断.プレドニゾロンを最大60mg投与したが軽快せず.抗体価も上昇したため,二重濾過血漿交換療法(double filtration plasmapheresis,以下DFPP)を計7回施行した.終了2週間後には皮疹はすべて色素沈着となった.その後も再燃はない.症例2:23歳,女性.1990年10月,口腔内に糜爛出現.さらに四肢に水疱出現.近医で尋常性天疱瘡の診断のもとに約2年間にわたりプレドニゾロンにて加療されていたが,増悪,緩解を繰り返していた.1992年9月に皮疹再燃し,プレドニゾロンを増量するも軽快しないため当科に紹介された.長期のステロイド投与による肥満,moon face,脂肪肝のためプレドニゾロンの増量を控え,DFPPを計8回施行した.頭部にわずかに皮疹を残して略治した.その後も皮疹の増悪はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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