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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻11号

1995年10月発行

文献概要

症例報告

前胸部に巨大紅斑を形成したneutrophilic dermatosis

著者: 藤田弘1 小楠浩二1 今泉俊資1

所属機関: 1静岡県立総合病院皮膚科

ページ範囲:P.890 - P.892

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 65歳,男性.骨髄異形成症候群のため内科入院中に,右鎖骨部の中心静脈栄養チューブ固定部に紅斑が出現した.組織学的には真皮ほぼ全層にわたって好中球の浸潤を認め,滲出液や皮膚組織よりの細菌・真菌・抗酸菌培養は陰性であった.プレドニゾロン40mg/日投与では全く改善傾向を示さず,白血球減少に対して投与された顆粒球コロニー刺激因子製剤の投与時期に一致して紅斑は前胸部に拡大し,巨大紅斑が形成された.メチルプレドニゾロン1g3日間投与によるステロイドパルス療法にて皮疹は著明に改善した.自験例は当初Sweet症候群やbullous pyoderma gan—grenosumを疑ったが,最終的にはCaughmanらの提唱したより包括的な概念であるneutrophilic dermatosisとするのが適切ではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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