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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻11号

1995年10月発行

文献概要

症例報告

帯状疱疹後のreflex sympathetic dystrophy syndromeにより片側性に皮膚硬化の増強が見られた全身性強皮症の1例

著者: 安藤葉子1 水谷仁1 清水正之1 山上温子2

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室 2厚生連松阪中央総合病院皮膚科

ページ範囲:P.937 - P.939

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 帯状疱疹後神経痛に伴う上肢のreflex sympathetic dystrophy syndrome(RSDS)の合併により皮膚硬化が一側性に増強した全身性強皮症の1例を報告した.53歳女.3年前より四肢の皮膚硬化が出現.某病院で全身性強皮症と診断されプレドニゾロンの投与を受けていたところ,当科初診の5ヵ月前,右第1および第2胸髄領域に帯状疱疹を生じた.右上肢の疼痛が持続し,皮膚硬化および屈曲拘縮が増強.次第に左右差が明らかになり当科に入院した.下肢の皮膚硬化は対称性であるにもかかわらず,右上肢では皮膚の萎縮性変化,屈曲拘縮が強く,加えて骨脱灰を認める.右上肢では本来の強皮症の線維化機転にRSDSによる血管攣縮等の血管運動障害により線維化機序が増強したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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