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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻12号

1995年11月発行

今月の症例

光線過敏を伴った菊皮膚炎の1例—経口トレランスによる治療の試み

著者: 久松晃12 寺木祐一1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2静岡赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.979 - P.982

文献概要

 48歳,男性.6年前より生花販売に勤務.数ヵ月前より両手,両上肢,顔面,頸部などの露出部に皮膚炎が生じてきた.パッチテストにて菊の花,葉に陽性を示したが,光パッチテストは陰性.以上より「菊による接触皮膚炎」と診断した.その後皮疹の新生は続いたが,夏期に皮疹の増悪を認めたため,初診時には正常であったが,再度光線テストを施行したところ,UVA, UVBにおけるMEDの著明な短縮を認めた.治療として食用菊(100g/日)をジュースにし連日投与することにより,経口トレランスの誘導を試みた.内服開始後数日間は皮疹のflare upを認めたものの,それも約3週間で軽快した.内服開始3週間後に再びパッチテストを施行したところ陽性反応の減弱を認め,経口トレランスが誘導されたことが確認された.それに伴い光線テストでも短縮していたMEDは正常化した.その後職場に復帰し同様に菊を扱うも皮疹はほとんど出現しなくなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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