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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻12号

1995年11月発行

文献概要

症例報告

中心静脈栄養施行中に生じた亜鉛欠乏症の1例

著者: 安西秀美1 菊池新1 清水宏1 橋本隆1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1001 - P.1004

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 中心静脈栄養(intravenous hyperalimentation,以下IVH)施行中に発症した獲得型亜鉛欠乏症の1例を報告した.患者は81歳,女.皮膚筋炎に伴う誤嚥傾向が強いため,亜鉛非含有基本液パレメンタール®によるIVHを開始した.週1回,微量元素製剤であるエレメンミック®1A(亜鉛3.9mg相当)を経静脈的に投与されていたが,IVH開始約6週後皮膚粘膜移行部,四肢,躯幹に紅斑,膿疱,びらんを認めた.血清亜鉛は5μ9/dlと著明な低値を示し,アルカリフォスファターゼも53IU/lと低値であった.病理組織学的には角層下に膿疱を認め,真皮浅層に好中球主体の浸潤像をびまん性に認めた.エレメンミック®1Aの連日投与により皮疹は約1週間で急速に改善した.IVH施行中,間欠的亜鉛投与を行っていても,亜鉛欠乏をきたしやすい基礎疾患や病態を有する患者には発症に対する注意が必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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