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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科49巻13号

1995年12月発行

雑誌目次

カラーアトラス

Apocrine cystadenoma

著者: 大草康弘 ,   田中信 ,   綾木雅彦

ページ範囲:P.1046 - P.1047

患者 48歳,女性
初診 平成5年6月11日

原著

アトピー性皮膚炎患者におけるquality of life

著者: 藤岡彰 ,   高須博 ,   酒井智恵 ,   龍野佐知子 ,   羽金重喜 ,   野口俊彦 ,   勝岡憲生 ,   向井秀樹 ,   西山茂夫 ,   大島葉子

ページ範囲:P.1049 - P.1056

 アトピー性皮膚炎(以下AD)におけるquality of life(以下QOL)を質問紙法にてscore化し,また臨床症状もscore化することで両者の相関性について統計学的に検討した.QOL Scoreは「不安の解消」と「意欲の亢進」を中心に質問事項を作製することで検索した.さらに不安に対する具体的な内容,性格,食事制限の有無についても質問し,QOLとの関係を検討した.結果として,臨床ScoreとQOL Scoreの改善は相関が高く,特に女性に顕著であった.なお不安は顔面の発赤に由来することが多いと考えた.食事制限をしている患者は臨床症状が改善していないが,自分では良くなっていると信じているという興味深い結果も得られた.QOLは定義が未だ曖昧な状態にあり,我々の測定方法を説明する意味も含めてQOLについて総説的な解説をし,その上でADのQOLについて解析した結果を考察した.

特異な臨床像と組織像を呈した異所性乳房外Paget病

著者: 皆川禎子

ページ範囲:P.1057 - P.1062

 78歳男性の躯幹に多発した乳房外Paget病を経験した.7〜8年来,上腹部と背部に手拳大の境界明瞭,一部に紅斑と僅かな痂皮が付着する灰褐色斑がある.背部病巣の紅斑からの組織像は,表皮内に淡明な大型の腫瘍細胞が孤立性または胞巣を形成して増殖.PAS染色,CEA染色に陽性を示す.一方腹部の褐色斑では,基底膜上に1層の円柱型細胞から成る腺腔構造が多数並び,内腔よりメラニンを経皮排泄する様を呈する.核分裂像は少なく,孤立性の細胞や真皮内に腫瘍細胞は認められない.全身的検索で,悪性腫瘍の存在を示唆する所見は得られなかった.異所性乳房外Paget病の本邦例を検討し,Paget細胞の発生起源について考察した.

臨床統計

線状苔癬—当教室10例の臨床的検討

著者: 安部正敏 ,   天野博雄 ,   田村多繪子 ,   宮地良樹

ページ範囲:P.1063 - P.1066

 過去15年間に当教室で経験した線状苔癬10例をまとめ,過去の報告例と比較,検討した.初診年齢は全例14歳以下で女児が7例を占めた.発生部位は上・下肢同数で,すべて片側性.合併症は4例にアトピー性皮膚炎があり,他2例に白色皮膚描記症が認められ,いわゆるatopic skinとの関連が示唆された.また,2例に爪甲病変が認められ,皮膚病変治癒後も爪甲病変は持続した.本症に爪甲病変が合併することは稀とされているが,皮疹が連続性に爪甲近くまで及んだ場合は爪甲病変を伴う可能性が高いと思われ,皮疹の注意深い観察と早期からの副腎皮質ホルモン剤外用療法が試みられるべきであると考えられた.

今月の症例

X線上著明な骨化を認めたPeyronie病の1例

著者: 松本博子 ,   大島昭博 ,   井出瑛子 ,   杉浦丹

ページ範囲:P.1067 - P.1069

 62歳男性に生じたPeyronie病の1例を報告した.陰茎背側冠状溝に接し,拇指頭大の境界明瞭な骨様硬の皮下硬結があり,勃起時,陰茎の有痛性弯曲を認める以外,自覚症状はない.X線上,硬結部に一致して部分的に骨化所見を認める.生検時,硬結は白膜と連続し,一部陰茎海綿体に浸潤していた.病理組織学的に結合組織の増生および石灰化,一部に骨形成が見られ,Kossa染色では,骨化部に一致して陽性を呈した.Peyronie病で骨化を認めた報告は本邦例では見られず,また,本症は皮膚科領域での報告は2例目で,まれな疾患である.

症例報告

光線過敏を伴った成人型アトピー性皮膚炎の1例

著者: 嶋岡正利 ,   永井弥生 ,   割田昌司 ,   石川治 ,   宮地良樹

ページ範囲:P.1071 - P.1073

 光線過敏を伴ったアトピー性皮膚炎の1例を報告した.症例は23歳,男.18歳頃より顔面を中心に日光露光部に強く皮疹が出現した.モノクロメーター測定による最少紅斑量は正常人に比べ著明に低下し,また連続波長照射試験においても陽性反応を認めた.アトピー性皮膚炎における光線過敏を客観的に証明しえた報告は少ないが,紫外線も増悪因子の一つとなりえると考えられた.

網膜剥離を併発したアトピー性皮膚炎の2例

著者: 中川光子 ,   杉山徹 ,   西嶋攝子 ,   山岸和矢

ページ範囲:P.1075 - P.1078

 症例1:22歳,女性.生来のアトピー性皮膚炎が18歳頃より増悪し,特に顔面の皮疹が悪化,びらんや滲出液も認めていた.21歳時に両眼の白内障を指摘され,平成6年3月に左眼の網膜剥離と診断された.症例2:19歳,女性.生下時よりアトピー性皮膚炎に罹患し3歳頃までが最も症状がひどく,のち軽快傾向を示し中学生頃には瘙痒を自覚する程度となった.平成6年5月,視力低下を自覚し近医にて右眼の網膜剥離を指摘され当院眼科に入院,左眼の網膜剥離の存在も明らかになった.共に眼科にて手術を施行し,再発を見ず経過良好である.皮疹の程度に差はあるが,両例とも瘙痒のため頻繁に顔を叩く癖があったことより,網膜剥離の誘因として「外傷説」の関与が考えられた.

転移性カルチノイドに合併した尋常性天疱瘡の1例

著者: 白浜茂穂 ,   ,   八木宏明 ,   古川福実 ,   瀧川雅浩

ページ範囲:P.1080 - P.1082

 49歳女性で,尋常性天疱瘡に転移性カルチノイドを合併した症例を経験した.24歳時,カルチノイド腫瘍の診断の下,胃亜全摘術を受けた.カルチノイドは進行の遅い悪性新生物の一つであるが,36歳時肝臓への転移を指摘され,以後抗癌剤の内服療法を受けていた.44歳時,口腔粘膜に糜爛が生じ精査の結果,尋常性天疱瘡と診断した.ステロイド剤の内服療法を受け経過観察中であった.49歳時,皮疹が徐々に拡大し,全身に糜爛面を生じるようになった.この頃,肝臓には多発性の転移巣が認められていた.ステロイド剤の増量あるいは血漿交換を行ったが敗血症を併発して永眠された.カルチノイドの進行と天疱瘡の皮疹の増悪が関係しているように思われた.

Ichthyosis bullosa of Siemensの1例

著者: 小菅綾子 ,   村田哲 ,   片山洋 ,   矢尾板英夫

ページ範囲:P.1083 - P.1086

 5歳男児のichthyosis bullosa of Siemens(以下IBS)の1例を報告した.1歳頃から,両下腿,足背,両前腕,手背にかけて鱗屑がみられ,水疱形成を繰り返すようになった.家系内に同症なし.病理組織学的には,著明な角質増生,顆粒層・有棘層上層の顆粒変性および空胞変性,表皮内水疱が認められた.電顕的には,表皮上層でトノフィラメントの凝集塊に沈着した巨大なケラトヒアリン顆粒が認められた.本症例は紅皮症の欠如からIBSと考えられた.

筋生検により早期に診断できたP-ANCA陽性の結節性動脈周囲炎

著者: 杉内利栄子 ,   高橋和宏 ,   庄子嘉治 ,   成田満義 ,   望月衛

ページ範囲:P.1087 - P.1089

 筋生検により早期に診断できたP-ANCA陽性の結節性動脈周囲炎の症例を報告した.58歳,女性.顔面,前腕の浮腫性紅斑,熱発,下肢の筋痛,脱力,胸部苦悶感のため当科を受診した.大腿四頭筋より筋生検を施行し,組織学的に筋型動脈の炎症を確認した.臨床検査所見でも白血球増加,血小板増加,血沈亢進,CRP陽性,また抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)のうち好中球の核周辺が染まるP-ANCAが陽性であり結節性動脈周囲炎と診断した.プレドニゾロンとサイクロホスファマイドの併用療法で経過は良好である.

悪性萎縮性丘疹症(Degos病)の1例

著者: 須藤晴美 ,   桜井みち代 ,   戸倉新樹 ,   瀧川雅浩

ページ範囲:P.1091 - P.1093

 39歳,女性の悪性萎縮性丘疹症を報告した.初診の3年前より体幹,四肢に中央が白色に陥凹した萎縮性丘疹が出現し,出没を繰り返した.組織学的に中央の萎縮部に一致して真皮上層の壊死巣を認めた.消化器症状や中枢神経症状はみられず,チクロピジン,ミノサイクリンの内服に反応し,皮疹は消退傾向を示した.悪性萎縮性丘疹症の中には全身症状のみられない予後良好なタイプもあると考えられ,過去の本邦報告例と合わせ考察した.

糖尿病患者にみられた非クロストリジウム性ガス壊疽の1例

著者: 浜岡秀爾 ,   江口弘晃 ,   堀越貴志

ページ範囲:P.1094 - P.1096

 78歳男性の糖尿病患者の右大腿に発症した非クロストリジウム性ガス壊疽の1例を報告した.起因菌は腸内常在菌である嫌気性グラム陽性桿菌のEubacterium lentumであり,右大転子部の褥瘡部からの感染により発症したと思われる.糖尿病の合併症も加わり,全身状態が極めて悪く死の転帰をとった.

慢性C型肝炎を合併したlichen myxedematosusの1例

著者: 小菅綾子 ,   牧恵美子 ,   山田朋子 ,   出光俊郎 ,   山根康弘 ,   矢尾板英夫

ページ範囲:P.1098 - P.1100

 40歳,男性のlichen myxedematosusを報告した.初診時,項部から上背部にかけて丘疹が集簇し,浸潤を触れる局面,手指・膝・足底には結節が多発していた.組織学的に,真皮上中層の膠原線維間の開大,浮腫が認められた.特殊染色では,アルシアンブルー染色にて膠原線維間に陽性物質がみられ,ヒアルロニダーゼ消化試験にて消化されたことから本物質をヒアルロン酸と同定した.患者は甲状腺機能は正常であり,para—proteinも認められなかったが,慢性C型肝炎を合併していた.C型肝炎ウイルス感染による肝障害に伴う本症の病態に関して若干の文献的考察を加えた.

単発性被角血管腫の2例と限局性被角血管腫の1例

著者: 廣瀬るみ ,   堀越貴志 ,   花田二郎 ,   佐々木絹子

ページ範囲:P.1101 - P.1104

 症例1は34歳男性の左下腿に生じた直径7mmの赤褐色丘疹.症例2は9歳女児の左大腿部に生じた紅暈を伴う直径7×9mmの黒褐色の小結節.病理組織学的に両者共に表皮肥厚,真皮乳頭層に著明な血管拡張を認め,臨床所見と合わせて単発性被角血管腫(solitary angiokeratoma)と診断した.症例3は40歳男性の顔面に出生時より存在する黒色結節.病理組織学的に表皮肥厚,真皮中層から皮下組織にかけて拡張した血管を認め,一部は血栓を形成していた.臨床および組織所見より限局性被角血管腫(angiokeratoma cir—culnscriptum)と診断した.被角血管腫の病型分類,本症例の鑑別診断について文献的考察を加えて報告した.

多発性立毛筋平滑筋腫の2例

著者: 白水加乃 ,   津田眞五 ,   長治順子 ,   田中克己 ,   北村尚久 ,   宮里稔 ,   笹井陽一郎

ページ範囲:P.1105 - P.1108

 右上腕から肩部に,暗赤色の有痛性小結節を集簇性に発症した68歳男性と47歳女性の多発性立毛筋平滑筋腫を報告した.病理組織学的検索では,HE染色で真皮内に淡紅色に染まる紡錘形で長円形の核を有し種々の方向に不規則に交錯する密な腫瘍線維束が認められた.これらはelas—tica-van Gieson染色で黄染し,Azan-Mallory染色で赤染した.抗ヒト筋線維アクチン・モノクローナル抗体(HHF−35)による免疫組織化学染色では,腫瘍線維束に一致して強い陽性所見が得られた.電顕的検索では,腫瘍構成細胞は細長い核と筋原線維よりなり,細胞膜内縁にはpinocytotic vesicleがよく発達し,外周には基底板がみられた.また1985年までの本邦報告例に,自験例までの症例を加えて統計的観察を行った.

皮膚平滑筋肉腫の1例

著者: 佐伯順子 ,   鈴木忍 ,   加瀬佳代子 ,   松岡芳隆 ,   漆畑修 ,   斉藤隆三 ,   甘利雅雄

ページ範囲:P.1109 - P.1112

 46歳,女性.昭和63年頃背部に結節が出現し,近医で2回の摘出術を受けるも再発を繰り返した.平成4年の3回目の摘出術後,手術創が離開し隆起増大してきたため平成5年9月当科受診.背部中央やや右側に41×25mmの不規則形の紫紅色結節を認めた.病理組織学的に真皮内に大小不同の長楕円形ないし円形の腫瘍細胞が縦横に錯綜し,核分裂像もみられた.結合織染色,免疫組織化学,電顕的検索にて皮膚平滑筋肉腫と診断した.広範囲切除後1年にて再発はない.本邦報告例を集積し,本症の臨床的特徴,起源,治療について考察した.

Warthin's tumorの2例

著者: 平本哲夫 ,   古橋正男 ,   秋山千恵 ,   田幡雅彦 ,   高山修身 ,   大竹直人 ,   古江増隆 ,   玉置邦彦

ページ範囲:P.1113 - P.1115

 Warthin's tumorの2例を報告した.症例1.69歳の男性.1年ほど前より右耳下腺部の腫瘤に気づく.3ヵ月ほど前より左耳介後部にも腫瘤出現.症例2.79歳の女性.2年ほど前より左耳下腺部に腫瘤出現.組織学的には,いずれも典型的なWarthin's tumorであった.これらについて若干の文献的考察を加えた.

Merkel細胞癌の1例

著者: 青木明恵 ,   山田晴義 ,   木村俊次

ページ範囲:P.1117 - P.1120

 90歳,女性の眉毛部に生じたMerkel細胞癌の1例を報告した.光顕上,腫瘍細胞は一部で索状配列を呈し,電顕にて腫瘍細胞の細胞質に直径100〜150nmのmembrane coated dense coregranulesが認められた.免疫組織学的にはNSE染色,EMA染色陽性であり,グリメリウス染色で陽性顆粒が認められた.本例では入院時,すでに頸部リンパ節と腹腔内に転移が確認されたが,腫瘤およびリンパ節への放射線照射で一旦腫瘍の消失をみた.しかし腫瘍の進展をコントロールするまでには至らず,発症後4カ月にて死亡した.本腫瘍が放射線に高い感受性を示すという報告は多く,早期に放射線単独療法あるいは手術との併用療法を試みるべきであると考えた.

Lymphomatoid papulosisの1例

著者: 高淑子 ,   村松勉 ,   白井利彦

ページ範囲:P.1123 - P.1126

 初診時72歳女性のlymphomatoid papulosisの1例を報告した.68歳の時より全身に自覚症状を欠く小結節が出現し,再発,自然消退を繰り返していた.病理組織学的には,真皮に多核細胞を混じえる異型リンパ球の浸潤を認め,これらの異型リンパ球はCD 30(Ki—1抗原)陽性であった.初発時より15年後に両鼠径部のリンパ節が腫脹し,吸引細胞診にてHodgkin細胞およびReed-Sternberg細胞と思われる大型の異型細胞を認めた.放射線療法にて一時リンパ節の腫脹は消退するも,全身状態が悪化し,死亡した.

Recombinant interferon-γが有効であった菌状息肉症の1例—治療前後の免疫組織化学的検討

著者: 宇都宮元和 ,   福田正之 ,   塩原哲夫

ページ範囲:P.1127 - P.1129

 症例は49歳,女性.菌状息肉症の扁平浸潤期(T2N0B0M0,Stage Ib)に対し,recombinant interferon-γ(IFN-γ)200万単位の連続点滴投与を行った.4週目頃より,扁平浸潤局面は消退傾向を示した.扁平浸潤局面に認められる浸潤細胞は,真皮,表皮とも多くがCD3+,CD4,TCR-β+であり,ケラチノサイトは,HLA-DR,ICAM-1を発現していた.治療後,表皮内のCD3+,CD4+,TCR-β+細胞は著明に減少した.一方,ケラチノサイトのHLA-DR発現は増強したが,ICAM-1発現は著明に低下した.このIFN-γによるICAM-1発現の低下が,腫瘍細胞の表皮向性浸潤の減少をもたらしたものと考えた.

連載

Clinical Exercises・33—出題と解答

著者: 塩原哲夫

ページ範囲:P.1078 - P.1078

 65 Henoch-Schönlein紫斑病について正しくない記載はどれか.
  ① 対症療法のみで自然消退する予後良好な疾患である.

Practical English for Busy Physicians・24

著者:

ページ範囲:P.1121 - P.1121

Appear,show,developeの使い方,ブータンについて
 最近私は大変素晴らしい1週間のブータン旅行から戻って来ました.これが英語とどういう関係があるか?というのは読んでのお楽しみです.ご存じかとは思いますがブータンは小さな仏教王国で,インドの北,チベットの南でヒマラヤの中心に位置します.今日ではトレッキングや乗馬でなくともタイのバンコックかインドのニューデリーから飛行機で行けます.1,2時間後ジェット機は雲を突き抜けて高度を下げて行き,雪を頂いた山々が飛行機のまわりと頭上に見えてきます.パイロットがきつい左折を2度行った後,左手に古いお寺(砦の役目もあった寺)が見え,それと同時に突然着陸するという次第です.ぜひ左側の席に座られることをお勧めします.ブータンは素晴らしい不思議な魅力の王国で,国王は実に巧妙に国の政策を執り行っています.空気は澄み渡り,道路事情は良く,人々は親切で優しく,医療費は全額国が負担しております.またヒマラヤ最後の原生林が残っており,動物や鳥たちは保護されており,トレッキングコースは初級コースから上級コースまで揃っておりますが,わたしのように車(小型バス)で移動し軽くハイキングすることも可能ですし,日本語のガイドもいます.国民はゴー(男性用),キラ(女性用)という伝統的衣装を身につけており,キラは大変色鮮やかな衣装で和装着物のように体に巻き付けて着用し着丈もくるぶしまであります.ゴーのほうは同じように着ますが着丈がひざまでで,男女どちらも上前身頃をポケットとして使っており,何でも入れて持ち歩いています.私もゴーを着てみましたが足元が涼しく,また座るときに十分に気を付けなければ下着が見えるので大変でしたが,ゴーは3,500円ほどで買え,大変楽しい経験となりました.皆さんも試して下さい.着付けはツアーガイドが手伝ってくれるから大丈夫ですよ.春と秋が訪ねるのには一番良い季節で,多くの仏教の祭典があちこちで開かれており,TVでご覧なった方もいらっしゃるかもしれません.大変色鮮やかなお祭りで国民も楽しんで見ていました.

治療

副腎皮質ステロイドの全身投与が奏効した眼瞼部苺状血管腫の1例

著者: 岡田克之 ,   秋元幸子 ,   石川治 ,   宮地良樹

ページ範囲:P.1133 - P.1135

 3ヵ月,女児.初診時,左眼は上眼瞼部の苺状血管腫のため開眼困難であった.眼科にて視性刺激遮断弱視となる可能性が高いことを指摘されたため,副腎皮質ステロイド(デキサメタゾン1mg/日)の内服を開始し,15週間で漸減中止した.内服翌日から開眼可能となり,その後も皮疹は速やかに縮小し,眼裂は左右ほぼ同等に開くようになった.副腎皮質ステロイド中止後も皮疹は増大していない.機能障害をきたすおそれのある苺状血管腫に対しては,自然退縮を待つことなく積極的加療が必要である.自験例のように副腎皮質ステロイドの全身投与が短期間に著効を示す例があり,副作用も問題にならず,比較的容易に行い得ることより,後遺症をきたす危惧のある苺状血管腫に対して第一に試みるべき治療法ではないかと思われた.

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臨床皮膚科 第49巻 事項索引

ページ範囲:P. - P.

臨床皮膚科 第49巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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