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原著
特異な臨床像と組織像を呈した異所性乳房外Paget病
著者: 皆川禎子1
所属機関: 1白河厚生総合病院皮膚科
ページ範囲:P.1057 - P.1062
文献購入ページに移動 78歳男性の躯幹に多発した乳房外Paget病を経験した.7〜8年来,上腹部と背部に手拳大の境界明瞭,一部に紅斑と僅かな痂皮が付着する灰褐色斑がある.背部病巣の紅斑からの組織像は,表皮内に淡明な大型の腫瘍細胞が孤立性または胞巣を形成して増殖.PAS染色,CEA染色に陽性を示す.一方腹部の褐色斑では,基底膜上に1層の円柱型細胞から成る腺腔構造が多数並び,内腔よりメラニンを経皮排泄する様を呈する.核分裂像は少なく,孤立性の細胞や真皮内に腫瘍細胞は認められない.全身的検索で,悪性腫瘍の存在を示唆する所見は得られなかった.異所性乳房外Paget病の本邦例を検討し,Paget細胞の発生起源について考察した.
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