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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻13号

1995年12月発行

文献概要

症例報告

転移性カルチノイドに合併した尋常性天疱瘡の1例

著者: 白浜茂穂1 八木宏明1 古川福実1 瀧川雅浩1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1080 - P.1082

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 49歳女性で,尋常性天疱瘡に転移性カルチノイドを合併した症例を経験した.24歳時,カルチノイド腫瘍の診断の下,胃亜全摘術を受けた.カルチノイドは進行の遅い悪性新生物の一つであるが,36歳時肝臓への転移を指摘され,以後抗癌剤の内服療法を受けていた.44歳時,口腔粘膜に糜爛が生じ精査の結果,尋常性天疱瘡と診断した.ステロイド剤の内服療法を受け経過観察中であった.49歳時,皮疹が徐々に拡大し,全身に糜爛面を生じるようになった.この頃,肝臓には多発性の転移巣が認められていた.ステロイド剤の増量あるいは血漿交換を行ったが敗血症を併発して永眠された.カルチノイドの進行と天疱瘡の皮疹の増悪が関係しているように思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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