臨床皮膚科49巻13号

1995年12月発行

症例報告

単発性被角血管腫の2例と限局性被角血管腫の1例

著者： 廣瀬るみ¹ 堀越貴志² 花田二郎² 佐々木絹子³

所属機関： ¹ひろせ皮膚科クリニック ²札幌医科大学医学部皮膚科学講座 ³いのけ医院

ページ範囲：P.1101 - P.1104

文献概要

　症例1は34歳男性の左下腿に生じた直径7mmの赤褐色丘疹．症例2は9歳女児の左大腿部に生じた紅暈を伴う直径7×9mmの黒褐色の小結節．病理組織学的に両者共に表皮肥厚，真皮乳頭層に著明な血管拡張を認め，臨床所見と合わせて単発性被角血管腫（solitary angiokeratoma）と診断した．症例3は40歳男性の顔面に出生時より存在する黒色結節．病理組織学的に表皮肥厚，真皮中層から皮下組織にかけて拡張した血管を認め，一部は血栓を形成していた．臨床および組織所見より限局性被角血管腫（angiokeratoma cir—culnscriptum）と診断した．被角血管腫の病型分類，本症例の鑑別診断について文献的考察を加えて報告した．