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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻2号

1995年02月発行

文献概要

原著

足底の先天性色素性母斑に発症した表在拡大型黒色腫—ホルマリン固定・パラフィン包埋未染標本の螢光法的所見

著者: 藤田日出雄1 森嶋隆文1 千野一夫1 下島博之1 原弘之1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.119 - P.123

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 右足底の長径2.5cmの先天性色素性母斑に発症した表在拡大型黒色腫(SSM)の85歳,女性例を報告した.病巣の外側部は皮丘,皮溝ともに着色し,通常の足底色素斑の外観を呈し,中央部から内側寄りに黒褐色腫瘤がみられ,腫瘤の内側部を囲む色素斑では皮丘や皮溝は消失し,扁平台状に隆起していた,病理組織学的には,それぞれ境界母斑,SSM, SSM in situであった.以上の所見から,境界母斑であった先天性色素性母斑が80有余年の長きを経てこれに相接してSSM in situが進展し,次いでSSMが発症した稀有な症例と考えられた.HMB−45免疫染色による境界母斑とSSM in situ部との鑑別は困難であった.ホルマリン固定・パラフィン包埋未染色標本の螢光法的所見はSSM in situ部では境界母斑と異なって黄緑色〜黄色の特異螢光を発する腫瘍細胞巣がみられ,腫瘍を覆うケラチノサイトに特異螢光が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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