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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

今月の症例

脱色素性母斑上に生じた多発性稗粒腫

著者: 谷口彰治1 鶴田大輔1 東順子2 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2市立柏原病院皮膚科

ページ範囲:P.214 - P.216

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 広範囲の脱色素性母斑上に生じた多発性稗粒腫の乳児例を報告した.症例は3ヵ月,男児.生後数週頃に躯幹および四肢に不完全脱色斑が出現した.自覚症状は認めない.また脱色斑上に一致して白色の表面平滑な半球状小丘疹が多数認められた.病理組織学的には,表皮直下に数層の扁平上皮により囲まれた表皮性嚢腫が存在した.嚢腫の内腔には層板状の角質が認められた.またFontana-Masson染色において,表皮基底層のメラニン顆粒の減少が認められた.検索した限りでは,稗粒腫を伴った広範囲の脱色素性母斑の報告は過去になかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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