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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻3号

1995年03月発行

症例報告

壊死性筋膜炎と対側の丹毒様皮疹を合併したtoxic shock-like syndromeの1例

著者: 稲積豊子125 山崎雄一郎12 北西史直3 菊野隆明4

所属機関: 1国立東京第二病院皮膚科 2国立東京第二病院臨床研究部 3国立東京第二病院総合内科 4国立東京第二病院救急救命センター 5慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.227 - P.230

文献概要

 68歳,男性.前駆症状として咽頭痛,発熱を伴い,右側腹部から大腿部にかけて丹毒様皮疹が出現.2日後,左腸骨前部に激痛を伴った壊死性局面が出現し,当科へ入院した.入院時,血圧低下,急性腎不全,肺鬱血像を認め,敗血症性ショックと診断.昇圧剤,抗生剤の投与を開始するも,反応が見られず,左腸骨前部の壊死性筋膜炎を疑い,入院当日,同部のデブリードマンを施行した.以後,ペニシリンGを投与し,急性腎不全に対しては持続的血液透析を行ったところ,全身状態は漸次改善し,入院37日目に潰瘍部を一次的に縫合閉鎖した.なお,壊死組織からA群溶連菌が検出されたこと,ASO,ASK値の上昇をみたこと,臨床的に敗血症性ショック,腎不全を伴っていたことから,自験例をA群溶連菌による壊死性筋膜炎を伴ったtoxic shock-like syndromeと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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