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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻3号

1995年03月発行

文献概要

症例報告

胃癌に併発した遠心性環状紅斑の1例

著者: 久松晃1 狩野葉子1 長島正治1 生形之男2 木内立男2 立川勲2

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部第1外科学教室

ページ範囲:P.237 - P.240

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 症例は56歳男性.初診の約5年前より自覚症状のないほぼ大豆大の紅斑が,腹部に多数出現して徐々に環状となり,遠心性に拡大し2〜3ヵ月で消褪していた.初診の2ヵ月前より胃部不快感が出現し,精査により胃癌(Borrmann3型)が発見され外科へ入院した.臨床的に胃癌に伴う遠心性環状紅斑を考え経過を観察したところ,紅斑は胃癌の切除後3日目頃にはほぼ消褪し,以後再発はない.遠心性環状紅斑の原因また基礎疾患の一つに悪性腫瘍があげられているが,自験例のように悪性腫瘍の摘除により紅斑が消褪した症例の報告は非常に少ない.悪性腫瘍に併発する環状紅斑の発生機序について,若干の考えを加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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