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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻4号

1995年04月発行

文献概要

症例報告

晩発性皮膚ポルフィリン症の1例

著者: 山本洋子1 風間隆1 伊藤雅章1 手塚匡哉2 猪股成美2

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室 2新潟医療生活協同組合木戸病院皮膚科

ページ範囲:P.331 - P.334

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 54歳,男性の晩発性皮膚ポルフィリン症の1例を報告した.25年来の飲酒歴があり,5年前よつ軽度肝機能障害と高血圧,2年前より耐糖能異常を指摘されている.平成2年の初夏より,両手背に瘙痒を生じ,軽い掻破により水疱を形成するようになった.水疱の治癒後に小瘢痕,色素沈着,稗粒腫を残す.尿中ウロポルフィリンは極めて高値であった.手背の水疱部病理組織像は表皮下水疱で,水疱蓋と水疱底の両者に,PAS陽性物質の沈着とLH7.2陽性所見を認めた.水疱部電顕像では,水疱蓋下面に多層化したbasal laminaと,水疱底にも1層のbasal laminaを認め,本症例の水疱形成レベルは,多層化したbasal lamina間と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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