症例は14歳の女児.2歳時に足底の黒色斑の切除を受け,細胞増殖性青色母斑(cellular blue nevus)の診断であった.今回,同部位の軽度の腫脹と圧痛を主訴に来院した.手術所見では,皮下に黒色の腫瘍を認めた.組織所見では,淡明な腫瘍細胞の増殖が認められ,明細胞肉腫(clear cell sarcoma)が強く疑われた.しかし,2歳時の組織所見で切除断端まで腫瘍細胞がみられたため,細胞増殖性青色母斑が悪性青色母斑(malignant blue nevus)として再発したものと考えた.悪性青色母斑はまれな皮膚悪性腫瘍であり,特に本例は明細胞肉腫や悪性黒色腫との関連で非常に興味深い症例と思われる.