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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻5号

1995年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995 I 最近話題の疾患

ニューキノロンによる光線過敏症

著者: 戸倉新樹1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.17 - P.21

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 ニューキノロン剤は光線過敏症を起こしやすいことが知られており,新薬の出現のたびに副作用としての光線過敏性皮膚炎が話題となる.ニューキノロンは一重項酸素を主とする活性酸素を介して光毒性物質としての性格,すなわちDNA切断活性などを示すが,活性の強さは各ニューキノロン間で異なる.同剤は光毒性の一つの特徴である蛋白との光結合能も有するため,マウス表皮細胞をニューキノロン溶液に浮遊させた後,長波長紫外線(UVA)を照射することにより,ニューキノロン光修飾表皮細胞を作製することができる.この光修飾細胞を同系マウスに皮下投与することにより過敏症反応を誘導し得る.すなわちニューキノロンは光ハプテンとしての性格を持ち,このため光アレルギー反応を起こすと考えられる.さらにニューキノロンはT細胞に対してサイトカイン産生増強作用を示し,免疫反応修飾物質としての側面も持っている.こうした光毒性物質,光ハプテン,免疫反応修飾剤という特質を併せ持っているからこそ同剤は光線過敏性皮膚炎を起こしやすいと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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