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特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995 I 最近話題の疾患
劇症型A群溶レン菌感染症
著者: 清水可方1
所属機関: 1国保旭中央病院麻酔科
ページ範囲:P.26 - P.30
文献購入ページに移動 劇症型A群溶レン菌感染症は1980年代中期に発見され,1993年に確立されたA群溶レン菌による突発的な敗血症性ショック病態である.特別な基礎疾患を持たない者が突然ショックに陥って発病し,電撃的に多臓器不全に進行する.末梢血塗抹標本および病理組織標本の検鏡下でレンサ球菌が確認できる著明な敗血症をきたす.約40%の症例は皮膚疹および軟部組織壊死を合併するが,特にショック発病前に皮膚疹が出現する点が,本疾患の早期診断上重要である.発病機序は不明であるが,二次発病または集団発病は稀であり,菌と宿主の両者に発病に関与する複数の因子が存在するものと推測される.
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