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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻5号

1995年04月発行

特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995

III 新しし検査法と診断法

ヒト培養肥満細胞の解析

著者: 五十嵐康1 宮地良樹1 斉藤博久2 中畑龍俊3

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室 2国立相模原病院小児科 3東京大学医科学研究所癌病態研究部門

ページ範囲:P.91 - P.93

文献概要

 最近開発されたヒト培養肥満細胞をメディエーター遊離の研究に利用した.まず細胞に含まれるプロテアーゼであるトリプテースとカイメースを免疫化学的に染色したところ,トリプテースはほぼ100%,カイメースは約25%の細胞に陽性に染まった.この細胞をIgEで感作後に抗IgE抗体で刺激し,上清中および細胞ペレット中のヒスタミン量をHPLCを用いてオルトフタルジアルデヒドによる螢光法で測定した.この細胞は1個あたり平均9pgのヒスタミンを含有しており,抗IgE抗体刺激により細胞全体の30〜40%のヒスタミンを遊離した.このヒト培養肥満細胞は現在のところサブタイプとしては皮膚よりも肺の肥満細胞に近いが,トリプテースやヒスタミンのような肥満細胞の持つ顆粒内物質を有し,今後の改良によって様々なアレルギー性疾患のモデルになる可能性を秘めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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