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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻6号

1995年05月発行

文献概要

症例報告

卵白抗原初回摂取時に蕁麻疹を起こした5例

著者: 村津麻紀1 山本真由美1 玉置昭治1 熊谷正彦2

所属機関: 1淀川キリスト教病院皮膚科 2熊谷皮膚科医院

ページ範囲:P.405 - P.408

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 母乳栄養児で初回卵白抗原摂取時に蕁麻疹を起こした5例を報告した.5例とも卵白RASTが陽性であることより,経母乳か経胎盤にて感作が成立していたと考えられる.卵白RAST陽性例が増加している現在,乳児に塩化リゾチームの投与や早期からの卵の離乳食は控えるべきと考えた.アトピー性皮膚炎の患児に卵白のRAST陽性だけで,母親の食事も含めて完全に卵白除去を行うと,卵白の再投与試験では蕁麻疹の既往がなくても蕁麻疹やアナフィラキシーショックを起こす危険があることを考慮すべきであると提唱した.5症例のうち3例はアトピー性皮膚炎の既往はなく,残り2例は既往はあるも蕁麻疹発症時には皮膚炎の症状は寛解しており,アトピー性皮膚炎とRAST値は関連がなかったと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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