icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻6号

1995年05月発行

文献概要

症例報告

頭部潰瘍を形成した側頭動脈炎の1例

著者: 吉川伸子1 石黒直子1 檜垣祐子1 肥田野信1 川島眞1 榎本孝恵2 高橋義徳2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.417 - P.419

文献購入ページに移動
 84歳,女.初診2ヵ月前より頭部に瘙痒感,1ヵ月前より頭痛が出現し,家人に側頭部の潰瘍を指摘された.初診時,左側頭部に30×60mm大,右側頭部に5×15mm,5×30mm大の潰瘍を認め,著しい疼痛を訴えていた.CRP8.9mg/dl,血沈1時間値80mmと著明に亢進.右側頭部耳介上方の線状紅斑の生検で,中動脈の内膜から中膜に巨細胞を混じる細胞浸潤があり,肉芽腫性血管炎の像を認めた.眼底所見では,右眼底に白斑と,螢光眼底撮影で右黄斑動脈の狭窄所見を得た.側頭動脈炎と診断し,プレドニゾロン35mg/日の内服を開始し,疼痛,潰瘍は軽快したが,漸減中に狭心症と肺梗塞を併発した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?