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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻7号

1995年06月発行

文献概要

原著

成人発症Still病

著者: 永井弥生1 割田昌司1 天野博雄1 嶋岡正利1 田村敦志1 石川治1 宮地良樹1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.489 - P.495

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 成人発症Still病の3例を報告した.症例1(34歳女),症例2(55歳女),症例3(61歳男)の3例ともに出没を繰り返す紅斑と発熱で発症,症例1は半年後より,症例2はほぼ同時期より関節炎も出現した.検査上はいずれも白血球増多,血沈亢進,フェリチンの上昇を認めた.症例1では2度にわたり心膜炎を合併,さらに多剤に対する薬剤アレルギーを認めた.また治療に抵抗性で,長期にわたって軽快増悪を繰り返している.症例2では非ステロイド系消炎剤およびステロイド剤併用にて軽快したが,その後,胸水および心嚢液の貯留をきたし,胸膜炎,心膜炎を合併した.症例3は非ステロイド系消炎剤にて軽決したが,3ヵ月後に胃癌が発見された.自験例はいずれも本症の診断基準を満たすが,その臨床症状,経過は多彩であることが窺われ,常に他疾患との鑑別を考慮しながらの経過観察が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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