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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻7号

1995年06月発行

文献概要

今月の症例

ブシラミンとD—ペニシラミンにより誘発された爪甲の変化

著者: 吉野博子1 池田美智子1 南光弘子1

所属機関: 1東京厚生年金病院皮膚科

ページ範囲:P.509 - P.512

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 症例は55歳女性.53歳で関節リウマチの診断を受け,ブシラミン(リマチル®)が開始されたが,約8カ月服用した頃より(服用総量約50g)黄色爪が認められた.D—ペニシラミン(メタルカプターゼ®)に変更され,2カ月服用した頃より(総量約6g)爪半月の消失,著明な爪甲肥厚をきたした.服薬中止後,色調,形状ともに正常と思われる爪がみられ,爪の変化にブシラミンとD—ペニシラミンが関与したものと考えた.患者異常爪のX線元素分析における硫黄含有量は,薬剤中止後の回復爪に比較し,D—ペニシラミンおよびブシラミン服用時ともに,明らかに増加していた.両薬剤の持つSH基あるいはシステインが,爪甲のhard keratin合成に影響を及ぼし,おのおの特徴ある爪の変化を惹起した可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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