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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻7号

1995年06月発行

文献概要

症例報告

肝細胞癌に合併した非遺伝性血管浮腫の1例

著者: 清水隆弘1 武藤正彦1 古元礼子1 麻上千鳥1

所属機関: 1山口大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.529 - P.531

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 肝細胞癌経過中に発症した非遺伝性血管浮腫の1例を報告した.症例は61歳,男性.3年前肝細胞癌にて肝部分切除術施行,2度の肝細胞癌再発があったが,いずれも化学療法施行され寛解中であった.4ヵ月前より発作性の嚥下困難,呼吸困難,口唇・顔面などの腫脹を繰り返していた.初診時,顔面,口腔粘膜,咽頭の高度腫脹あり.病理組織学的に粘膜固有層,粘膜下層の浮腫と肥満細胞の血管周囲性浸潤がみられた.CI inhibitor活性正常域,発作時の血中ヒスタミン値は上昇していた.AFP値の上昇に伴い,発作間隔の短縮がみられた.浮腫はプレドニゾロン5mg/日投与で抑制できた.腹部CTで肝に多発性に腫瘤を認め,肝細胞癌の再発と診断された.肝細胞癌治療後,浮腫の出現をみていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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