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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻8号

1995年07月発行

文献概要

原著

乳頭状汗腺腫の臨床的統計—自験1例を含めて

著者: 菅谷和江14 新井春枝1 衛藤光2 西山茂夫2 三谷仁3

所属機関: 1大和市立病院皮膚科 2北里大学医学部皮膚科学教室 3大和市立病院産婦人科 4総合病院衣笠病院皮膚科

ページ範囲:P.585 - P.589

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 25歳,女性.未婚.小陰唇基部に表面湿潤する大豆大の紅色腫瘤を認め,毛細血管拡張性肉芽腫の疑いで単純切除したが,組織学的に乳頭状汗腺腫と診断した.抗S−100抗体は腫瘍の腺腔構造で筋上皮細胞に陽性,CEAは陰性.女性で発症時期が生殖年齢に限られており,アポクリン汗腺由来とはいえ,性ホルモンの関与を考え,LH,FSHについて免疫組織染色を施行したが陰性であった.自験例を含め,1991年までの国内報告41例を臨床所見について検討したところ,診断時の平均年齢は42.0歳,本人が自覚してから受診するまでが平均34.8ヵ月,大きさは径0.5〜2.0cm位が多く,陰核〜肛囲にほぼ限局している.臨床の記載が明らかな28例は皮内もしくは皮下腫瘍と記載されているものが多いが,皮表に露出していたものはうち9例と珍しくなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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