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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻8号

1995年07月発行

原著

伊藤白斑と神経症状—19例の分析

著者: 馬場直子1 斎藤胤廣1 三宅捷太2 岩本弘子2

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター皮膚科 2神奈川県立こども医療センター神経内科

ページ範囲:P.590 - P.593

文献概要

 過去8年間に当院皮膚科を初診した,いわゆる神経皮膚症候群の主なものを計数すると,レックリングハウゼン病81例,伊藤白斑19例,ブロッホ・ザルツバーガー症候群12例,結節性硬化症5例で,伊藤白斑はレックリングハウゼン病に次いで多かった.伊藤白斑19例のうち,精神運動発達遅滞が認められたものは13例68%と高率であったが,神経症状の強さと,初発症状である皮膚症状の程度との間に明瞭な関係はなく,また家族性も認められなかった.てんかんを合併したものは4例21%,脳波異常が認められたもの8例42%,片側肥大,四肢奇形などの筋骨格異常9例47%,染色体異常は5例調べられたが異常は認められなかった.伊藤白斑の特徴的皮疹は,出生時または生後早期より認められるため,皮膚科を初診することが多いが,神経症状の合併率が極めて高いことを念頭に置いて,その経時的発展に注意していくべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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