icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻8号

1995年07月発行

症例報告

Annular elastolytic giant cell granulomaの1例

著者: 伊東英里1 態切正信1 大河原章1 岩田美恵子2

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科学教室 2岩田皮膚科クリニック

ページ範囲:P.618 - P.620

文献概要

 42歳,女.初診の約1年前から,左額部に鳩卵大,辺縁は赤褐色に隆起した局面がある.皮疹の中央は軽度の脱色素性変化を認め,皮膚表面の萎縮および僅かな毛細血管拡張がある.有毛部の毛髪障害はなく,他の部位に皮疹は認められない.病理組織像は,真皮全層にわたる肉芽腫性病変で,膠原線維間に大型の多核巨細胞が散見される.膠原線維の変性像や類壊死像,ムチンの沈着は認められない.Elastica-van Gieson染色では,断片化した弾力線維が,巨細胞の胞体内に貧食される像が認められ,皮疹の中心部では弾力線維が欠損している.以上の所見からannular elastolytic giant cell granulomaと診断した.本症例は額部に生じた症例であり,本邦では稀であるため報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら