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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻8号

1995年07月発行

文献概要

症例報告

サルコイドーシスにみられた肉芽腫性口唇炎

著者: 西岡昭二1 津田眞五1 田中克己1 駒井礼子1 宮里稔1 笹井陽一郎1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.629 - P.632

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 15歳,男子のサルコイドーシス患者に生じた肉芽腫性口唇炎を報告した.初診の1年前よりとくに誘因なく上口唇が,半年前より下口唇が持続性に腫脹した.病理組織学的には類上皮細胞やリンパ球より構成された非乾酪性肉芽腫であった.またツ反陰性,気管支肺胞洗浄液の総細胞とリンパ球数増加,CD4/CD8比上昇,および血清リゾチーム値上昇などからサルコイドーシスと診断した.しかし肺門リンパ節腫脹はなく,アンジオテンシン転換酵素の上昇もなかった.肉芽腫性口唇炎の病名は自験例のような病態に限って用いられるべきで,Melkersson-Rosenthal症候群や肉芽腫性口唇炎(Miescher)などでは,サルコイド反応がみられても“浮腫結合性肉芽腫症”としたほうが病名に混乱がないように思われた.またサルコイドーシスの診断に際して,皮膚(粘膜)症状としての肉芽腫性口唇炎の病型分類上の位置づけに疑問が残った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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