臨床皮膚科49巻8号

1995年07月発行

症例報告

下口唇のpseudolymphoma

著者： 小松弘美¹ 相場節也¹ 田上八朗¹ 森士朗² 鈴木克彦³

所属機関： ¹東北大学医学部皮膚科学教室 ²東北大学歯学部第2口腔外科学教室 ³東北大学歯学部第2歯科保存学教室

ページ範囲：P.641 - P.643

文献概要

　下口唇に生じたpreudolymphomaを経験した．患者は31歳，女性．10年ほど前に歯科金属挿入の既往があり，金属パッチテストでは亜鉛に強陽性を示した．下口唇生検部ではリンパ濾胞の形成と好酸球の浸潤が認められ，一方，パッチテスト陽性部位の組織学的所見においても好酸球の浸潤が見られた．歯科金属元素の分析では，患者が装着していた歯科金属に亜鉛が確認され，原因として亜鉛による金属アレルギーが疑われた．