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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻9号

1995年08月発行

文献概要

臨床統計

乳房外Paget病の病期分類と予後—悪性黒色腫の病期分類(UICC,1987)を準用した解析

著者: 宮本麻子1 瀧澤好廣1 久保美代子1 斎田俊明1 斉木実2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2長野赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.687 - P.691

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 信州大学附属病院と長野赤十字病院の皮膚科における過去16年間の乳房外Paget病患者34例の予後について悪性黒色腫のpTNM病期分類(UICC,1987)を準用して検討した.病期別患者数は,TisすなわちStage 0が19例,Stage I 1例,Stage II 4例,Stage III 10例であり,Stage IIIを所属リンパ節転移の有無によって細分すると,転移のないIII(−)が2例,転移のあるIII(+)が8例であった.5年生存率は,Stage 0,I,IIのいずれも100%,Stage IIIが75.0%,うちIII(−)が100%,III(+)が66.7%で,リンパ節転移の有無が予後に大きく影響することが明らかにされた.Tumor thicknessが2.5mm以上の9例中8例で真皮内への結節状増殖像が認められ,うち6例がリンパ節転移を生じた.これに対し,in situ病変と1.0mm未満の20例では転移を生じたものはなかった.悪性黒色腫と同様に乳房外Paget病についてもin situ病変とtumor thickness 1.0mm未満の病変を予後の良い“早期癌”とみなすことができるように思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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