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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻9号

1995年08月発行

文献概要

今月の症例

腹部に生じたangiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaの1例

著者: 小林孝志1 長谷川喜厚1 木花光1 斉藤公彦2 朝倉浩一2 桜岡浩一3

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院放射線科 3桜岡医院

ページ範囲:P.692 - P.694

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 61歳,男.腹部に生じたangiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaの1例を報告した.患者は数ヵ月前よりの嚥下困難にて食道癌と診断され術前放射線治療中であったが,約2年前より徐々に増大したという多発性の皮下結節が左腹部に存在していた.組織学的には,皮下脂肪織中に結節性病変を認め,内皮細胞が内腔に突出した大小の血管,内皮細胞の腫大,増殖や小血管の新生と小円型細胞を主とし好酸球を混じる細胞浸潤部,また巣状にリンパ濾胞様構造の形成,間質の線維化を認めた.従来,本症と木村病との鑑別が問題になってきたが,自験例は臨床的に一部木村病の側面を持ち合わせており,両者の近縁性を示唆する症例とも考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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