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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻9号

1995年08月発行

文献概要

症例報告

バザン硬結性紅斑を伴った壊疽性丘疹状結核疹の1例

著者: 北島進司1 小芦雄介1 辻卓夫1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.695 - P.698

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 体幹・上下肢に痂皮を伴う丘疹を認め,両下腿・左大腿に硬結を伴う紅斑を,左乳房と右側腰部に皮下結節を生じた48歳女性例を報告した.組織では,丘疹は表皮から真皮上層にかけての楔状の壊死と真皮上層から中層の類上皮細胞肉芽腫で,硬結を伴う紅斑は真皮下層から脂肪織の類上皮細胞性肉芽腫と小葉性脂肪織炎で,壊死と血管炎を伴う.皮下結節も小葉性脂肪織炎が主体で類上皮細胞の浸潤と細小血管の血管炎を伴う.丘疹は壊疽性丘疹状結核疹,硬結を伴う紅斑と皮下結節とをバザン硬結性紅斑と診断した.ツ反は強陽性で,皮疹からの結核菌培養は陰性であった.表在リンパ節の腫脹はなく,肺結核等の結核病巣は認められなかった.抗結核剤(イソニアジドとリファンピシン)の内服3ヵ月で皮疹は色素沈着となり治癒した.下腿以外の部位のバザン硬結性紅斑は稀と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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