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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻9号

1995年08月発行

文献概要

症例報告

化学熱傷部位に生じた多形紅斑様皮疹の1例

著者: 川口博史12 松永裕子2 中嶋弘2

所属機関: 1国立相模原病院皮膚科 2横浜市立大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.715 - P.717

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 33歳,男性.アルカリ性のエチレンイミンによる化学熱傷を受けた.Superficial dermal burn(SDB)からdeep dermal burn(DDB)の化学熱傷として経過を観察していたところ,受傷後8日目より同部位に隆起性の病変が出現した.組織学的には,表皮下水疱を形成し,真皮ではリンパ球,好酸球,組織球よりなる細胞浸潤がみられ,多形紅斑様の組織反応であった.ステロイド外用により色素沈着を残して治癒した.多形紅斑の原因としては,様々なものが考えられるが,接触皮膚炎の経過中に多形紅斑を合併する例はすでに報告があるものの,自験例のような化学熱傷の経過中に同様の皮疹が出現するのは,我々が調べ得た限りではまだ報告がなく稀なことと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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