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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻9号

1995年08月発行

文献概要

症例報告

Saphenous vein graft donor site dermatitisの1例

著者: 冨澤幸生1 南場裕美1 小林衣子1

所属機関: 1札幌鉄道病院皮膚科

ページ範囲:P.719 - P.721

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 68歳,男性.狭心症のために伏在静脈をgraftとして冠動脈バイパス手術を行ったが,その後,伏在静脈採取術後の瘢痕部に沿って湿疹様病変が出現した.患者は常に皮疹部にピリピリした違和感をもち,感覚試験では,一部痛覚が減弱している部位が認められたが,全体の触覚は保たれていた.組織学的に,表皮の軽度のspongiosis,真皮乳頭部の小血管の増生と血管壁の肥厚,および真皮上層の血管周囲に軽度の小円形細胞の浸潤があり,軽度の膠原線維の増生がみられた.皮疹に対し,ステロイド外用剤,保湿剤,漢方療法など諸種の治療を試みているが,症状は一進一退を繰り返している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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