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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

症例報告

全身性エリテマトーデス様症状で発症したヒトパルボウイルスB19感染症の1例

著者: 湊原一哉1 片山一朗1 西岡清1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.37 - P.39

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 ヒトパルボウイルスB19感染症により,全身性エリテマトーデス(SLE)との鑑別が問題となった35歳女性例を報告した.39℃の発熱,扁桃腫大が先行して見られ,2ヵ月後より両膝関節痛が出現.同時期より,顔面両頬部に紅斑が見られ,胸部,四肢にも蕁麻疹様紅斑が拡大.抗核抗体陽性,白血球減少より,SLEの急性発症を疑われた.当科初診時,顔面両頬部,四肢に薄麻疹様紅斑を認め,抗ヒトパルボウイルスB19IgM, IgG抗体価共に陽性.本症例は当初,関節症,顔面の紅斑,光線過敏,抗核抗体陽性,白血球減少などのSLEを思わせる所見を呈していたが,検査所見および皮膚病理組織像よりヒトパルボウイルスB19の感染症と診断した.初期に急性の非定型的なSLE様症状を呈する場合には抗パルボウイルスB19抗体価を測定する意義があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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