icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

症例報告

全身性強皮症に合併した環状肉芽腫

著者: 秋山朋子1 清島真理子1 北島康雄1

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.47 - P.49

文献購入ページに移動
 全身性強皮症に合併した環状肉芽腫の1例を報告した.症例は67歳女性.約20年前より手指のしびれ感とRaynaud症状がみられていた.1年前より両手背と前腕に大豆大から碗豆大で中心の陥凹した丘疹が多発し,前腕では一部の丘疹が融合しその中央が地図状潰瘍を形成していた.抗核抗体2560倍以上(discrete speckled),TAT42.8μg/mlで上昇していた.その他の検査では特に異常は認めなかった.また,爪上皮の延長と点状出血,手指のpitting scar,舌小帯短縮と手指硬化があり,全身性強皮症の初期像と考えられた.前腕の丘疹より生検したところ,真皮上層から中層に膠原線維の変性がみられ,その周囲にリンパ球と組織球,多核巨細胞より成る肉芽腫が認められた.弾力線維の変性,断裂は認められなかった.アルシアン・ブルー染色(pH2.5)では,変性した膠原線維は弱陽性に染色された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?