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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

症例報告

広範囲に多彩な皮膚症状を呈したアレルギー性血管炎の1例

著者: 永尾祐子1 和泉達也1 多島新吾1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.51 - P.54

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 25歳男.初診時,右足外踝に発赤腫脹と膿疱を有する有痛性紫斑,両下腿には点状出血が認められた.さらに,その2週間後に背部,顔面に一部環状紅斑様の浸潤性紅斑が,両下腿には新たに紫紅色丘疹が出現してきた.下腿の皮膚生検では,真皮全層におけるleukocytoclastic vasculitisの像が,背部の皮膚生検では真皮浅層におけるleukocytoclastic vasculitisの像が認められた.自験例は,広範囲に皮疹が認められ,かつ臨床的,組織学的にアレルギー性血管炎(Gougerot—Ruiter)とアナフィラクトイド紫斑両者の特徴を有し,両疾患の病因的近似性を示唆する貴重な1例と思われた.また,本症は広義の意味でのaller—gic vasculitisの範躊に入ておくべきものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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