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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻10号

1996年09月発行

症例報告

疱疹性歯肉口内炎を契機に顕症化した尋常性天疱瘡

著者: 小川朝恵1 大塚幹夫1 岩月啓氏1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.777 - P.779

文献概要

 41歳,女性.初診の2週間前より口唇および口腔に疼痛を伴うびらんが出現した.血清中の抗1型単純疱疹ウイルス抗体価の上昇と,局所の塗抹検鏡での巨細胞の確認およびウイルス培養が陽性であったことから疱疹性歯肉口内炎と診断した.Aciclovirによりやや軽快したが,疼痛を伴う口腔内びらんが増強し開口困難となり,続いて体幹に瘙痒感を伴う水疱とびらんが出現した.組織所見では基底細胞層直上の棘融解を認め,130kDの表皮細胞抗原と反応する自己抗体を示したことから尋常性天疱瘡と診断した.単純ヘルペス感染症を契機に尋常性天庖瘡が顕症化した点で興味深い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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