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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻10号

1996年09月発行

症例報告

抗Borrelia burgdorferi抗体価が高値を示した限局性強皮症の2例

著者: 高橋慎一12 多島新吾1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東京歯科大学市川総合病院皮膚科

ページ範囲:P.805 - P.807

文献概要

 抗Borrelia burgdooferi抗体価が高値を示した限局性強皮症の2例(症例1:下肢の線状強皮症,症例2:汎発性斑状強皮症)を経験した.症例1では,経口ペニシリン製剤投与3ヵ月行ったが,抗体価はIgG, IgMとも高値のままで,その後も右下肢の硬化・萎縮が進行し,発症9年後に右外反扁平足となった.症例2においても,経口ペニシリン製剤投与5ヵ月行ったが,IgG,IgM抗体価は高値のままであった.皮膚硬化は徐々に軽快傾向にはあったが,ペニシリンの効果というより,むしろ自然経過による変化と考えられた.これら2例においてB.bnrgdoiferi感染はなかったと考えられ,2症例とも抗核抗体陽性であることから,自己抗体の交叉反応により抗B.burgdoiferi抗体価が高値を示したものと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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