icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻10号

1996年09月発行

文献概要

症例報告

陰嚢の有棘細胞癌

著者: 谷口彰治1 古川雅祥1 忽那晴央1 曽和順子1 石井正光1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.832 - P.834

文献購入ページに移動
 症例は73歳,男性.左陰嚢部に45×35mm大の潰瘍を伴う腫瘤が生じ,切除したところ病理組織学的に分化型有棘細胞癌と診断された.患者は50歳頃から全身性の尋常性乾癬の診断にて,PUVA治療(内服および外用)を受け,総UVA照射量は,少なくとも2,000J/cm2と考えられた.職業性にコールタールや機械油などの暴露歴はなく,紫外線照射が誘因として最も考えられた.陰嚢部の有棘細胞癌は極めて頻度の低い疾患であるが,皮膚科医として光線治療の際には外陰部の十分な遮光を心がけるべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?