臨床皮膚科50巻10号

1996年09月発行

症例報告

脂漏性角化症部に生じた基底細胞上皮腫の1例

著者： 宮本亨¹ 坂井直人² 葉狩良孝²

所属機関： ¹津山中央病院皮膚科 ²鳥取大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲：P.841 - P.843

文献概要

　69歳，男性．右頬部に2年前より腫瘤を生じ，1年前より中央部に潰瘍を認めるようになった．辺縁部は主に肥厚型で一部に腺様型を伴う脂漏性角化症であった．中央潰瘍部は，充実型が主の基底細胞上皮腫であった．この両者の合併例の報告は現在まで30例（うち本邦は9例）と非常に少ない．今回の症例でも検索した限りでは両者の関係を強く示唆する所見はなかった．