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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻11号

1996年10月発行

原著

Melanoma in situ病変をみた小型先天性および後天性色素性母斑—ホルマリン固定パラフィン包埋未染標本の蛍光法的所見を中心として

著者: 下島博之1 森鳴隆文1 森鳴智津子1 岡田知善1 涌井史典1 藤田日出難1 原弘之1 落合豊子1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.865 - P.869

文献概要

 Malignant melanoma(MM)in situ病変をみた小型の先天性色素性母斑(CMN)の30歳,女性例(症例1)と後天性色素性母斑(AMN)の8歳,男児例(症例2)を報告した.興味あることは症例1では1)長径7mm,病理組織学的にsuperficialtypeのCMNの被覆表皮から母斑病巣を欠く表皮にsuperficial spreading melanoma(SSM)insitu病変が連続性にみられたこと,2)未染標本の蛍光法と同一切片のHMB−45染色で基底層〜有棘層に紡錘形〜大型円形の蛍光性腫瘍細胞が個別性〜小胞巣状に増生し,HMB−45は強陽性で,SSM in situの所見に一致していたこと,症例2では1)長径8mm,掻痒を伴う黒子(AMN)の表皮に異型境界部活性を認めたこと,2)未染標本の蛍光法では紡錘形〜円形〜多形の蛍光性腫瘍細胞からなる不規則形の胞巣であったことである.以上,小型のCMNやAMNがMMの前駆病変になりうること,MM in situ病変の確認に未染標本の蛍光法が有用であることを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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