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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻11号

1996年10月発行

症例報告

Diaphenylsulfone(DDS)とチオプロニンによる薬剤アレルギー

著者: 新谷久恵1 下江敬生1 荒木寿枝2

所属機関: 1中国中央病院皮膚科 2荒木医院

ページ範囲:P.895 - P.897

文献概要

 Diaphenylsulfone(DDS)による肝機能障害が出現し,それに対して投与したチオプロニンにより皮疹が出現したと思われる稀な症例を経験したので報告する.57歳,女性.天疱瘡の診断でプレドニゾロン,DDSの内服中に,発熱を伴い,肝機能障害が出現した.DDSを中止し,チオプロニンの内服を開始したが,6日後より全身に紅斑,丘疹が出現した.薬疹を考え,チオプロニンの内服も中止し,プレドニゾロンをベタメタゾンに変更した.翌日より解熱し,皮疹もすみやかに軽快した.肝機能障害も徐々に改善した.組織所見では,表皮と真皮の境界を中心にリンパ球,組織球の浸潤を認め,表皮の空胞化,海綿状態が認められた.DLSTはDDS疑陽性,チオプロニン陽性,パッチテストはDDS陰性,チオプロニン陽性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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